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実践事例

医療・介護・福祉の「ゆるく」しかし、「強固」な絆。先進的な多職種在宅ケア連携ネットワークと、そこで育ったbmic-ZR。気仙沼在宅ケアネットワーク「KNOAH(ノア)」

団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、全国的に喫緊の課題である「地域包括ケアシステム」。これに対応し、各地で医療・介護・福祉などの多職種の連携を推進するためのネットワークづくりが進んでいる。
2011年3月、東日本大震災が起こった。大きな被害に遭った気仙沼市では、地元の医療・介護関係者と全国からの医療救護班による在宅療養支援活動が展開された。そのとき明らかになったのが、同市の医療・介護・福祉連携の希薄さと、多職種連携の必要性だった。8月、宮城県は「気仙沼・南三陸地区在宅医療福祉推進委員会」を発足。委員会の下には「在宅医療システム部会」も設置された。――これをも担いながら現場の多職種有志が自発的に活動しているのが「気仙沼在宅ケアネットワーク」、通称「KNOAH(ノア)」である。

KNOAHのメンバーは医師、歯科医師、薬剤師、病院関係者、ケアマネジャー、訪問看護師、リハ職員、介護職、福祉関係者、行政など多職種にわたる。お互いに顔の見える"ゆる~いヒューマンネットワーク"が、専門職種の垣根を越え、フラットで強固な多職種連携を生んでいる。
そんな在宅ケア連携の「現場で使える」ICTとはどういうものか?――震災によって地域包括ケアシステムの必要性を他に先立って突きつけられた気仙沼で、在宅ケア業務支援システムbmic-ZRの開発はスタートした。その後誕生したKNOAHでの医療・介護・福祉多職種ネットワーク醸成の歩みと共に、そこで使える情報共有連携ツールとして育てられてきたのが、bmic-ZRだ。今回は、2016年12月で第51回を数えるKNOAHの活動を紹介する。

気仙沼在宅ケアネットワーク/KNOAH(ノア)

2012年発足。気仙沼の在宅ケア推進を目的とし、関連業界の多職種によるメンバーで構成される。行政や医師主導のヒエラルキーではなく、現場の多職種有志が自発的に参加し、極めてフラットな人間関係で連携していることが特徴である。2016年、人口減少・高齢化社会を背景とする地域の課題に対する取り組みを表彰する総務省第4回「プラチナ大賞」奨励賞を受賞し、その活動は全国的に評価されている。

震災後に求められた早急なネットワーク構築、そしてKNOAHの誕生

KNOAH設立につながる気仙沼での在宅ケア連携への取り組みは、震災後の医療支援に訪れた医師や看護師らと共に結成された「JRS(気仙沼巡回療養支援隊)」に端を発する。医師・看護師・歯科医・栄養士・保健師・理学療法士などの多職種チームで半年に渡り高齢者宅や避難所を巡回する中で、患者や家族も、医療・介護・福祉の担当者も、在宅療養へ前向きに取り組む意識に変わっていった。同時に、様々な多職種が活動する場では、時として会話自体がうまく成り立たない、などの問題点も浮き彫りになっていた。
2012年11月、JRS本部長でもあった村岡正朗氏(村岡外科クリニック)らは気仙沼在宅ワーキンググループを立ち上げ、多職種のヒューマンネットワーク構築と運用について協議を始める。しかし、当初は情報共有システムありきで検討したこともあり、使いにくいなどのダメ出しは相次ぐものの、本質的な多職種連携課題の議論はなかなか進まなかった。そこでまず、多職種の各担当者が現場で困っていることは何か、を集めてみたところ、そもそもお互いがお互いの業務内容を知らないことが分かった。気仙沼の医療・介護・福祉・行政に関わる30~40名の有志による月1回の意見交換会は、こうしてまず多職種間の仕事の紹介と質問・意見の交換をすることで軌道に乗って行った。自由に集まり、職種の壁を超えて議論する「KNOAH」の誕生である。

ICTへの取り組みは、「何か面白いことをやろう」から始まった

在宅ケア業務支援システムbmic-ZRは、患者・サービス利用者の基本情報から測定値データ、処置記録、生活情報など、在宅ケアに関連する様々な内容を取り扱う。患者単位での医療職、介護職、福祉職などのケアチームのメンバーが、限られた時間の中で効率的に入力や閲覧を行うことを通じ、在宅ケア現場の業務効率化と連携による質の向上を目指したASPサービスだ。
その開発は、復興支援に少しでも役立ちたいとの思いから、まだバラックの原理試作システムを、被災直後の気仙沼に持ち込んだことから始まる。後のKNOAH始動へのもう一つのきっかけとなった、在宅ケア業務支援システム開発協力の取り組みを、「最初は、何か面白いことをやろういう気持ちから始まりました」と村岡氏は話す。市内で村岡外科クリニックを開業する村岡氏は、気仙沼の在宅ケアを支えるKNOAHのキーパーソンの一人である。人のネットワークをつなげる取り組みと、それを支えるICT等のツールの検討とが絶妙なバランスで進められるKNOAHでの「面白いこと」の実現は、他地域での数年先の多職種連携像を具現化することに等しい。bmic-ZRの開発メンバーは、現場での課題の本質や解決に向かうベクトルをKNOAHの場で感じ取り、表には見えにくい部分をも含めたシステムへのフィードバックと、表面的な顧客要望対応ではないブラッシュアップを行ってきた。その開発理念は今も、そして恐らくシステムが存在する限り続いて行く。

村岡外科クリニックの診察室にて、村岡氏。

村岡氏はbmic-ZRのシステムについて、「KNOAHのネットワークに参加している皆さんは、今のシステムが完成形とは思っていません。さらにシンプルで発展性があるシステムにしたいのです。ユーザーはあらゆる機能を欲していると思われがちですが、そうではありません。画像情報などはなくても十分機能します。最初からプクプクに太った状態では、システムが重くなり使いにくくります」と、シンプルなシステムを強調する。その上で、「必要な機能、不要な機能を選別して、自分たちでいじくりながらシステムを作っていこうと考えています」と、現場の本音を反映した多職種連携推進システム作りの重要性を語った。

多施設・多職種をつなぐ情報共有ツールbmic-ZR

薬剤師であり、調剤薬局の経営者である武田氏。

気仙沼では現在、在宅ケア連携システムに関しては、地域包括ケアの現実的課題のフィードバック・ツールとしてのICTのあるべき姿の掘り下げ、という取り組みに加えて、KNOAHのコアメンバーが日常業務にbmic-ZRを活用し、システムの運用法・情報コンテンツのあり方・機能改善などを検討するトライアルプロジェクトを実施している。プロジェクトには、市内の医科診療所1、歯科診療所1、病院1、介護施設1、薬局2、訪問看護ステーション1、訪問リハビリステーション1、居宅介護支援事業所1に所属する計22名のメンバーが参加している。気仙沼の在宅ケアでは、薬剤師や歯科医師が積極的に参加しているのが特色の1つでもある。KNOAHのキーパーソンである武田雄高氏(南郷調剤薬局 代表取締役)は、「初めは、在宅医療に薬剤師がどこまで関わるべきか分かりませんでしたが、参加して意見交換をするうちに、患者さんの直近の服薬情報が、地域の多職種連携の情報共有で重要であることが分かってきました」と話す。また、週2日午後、訪問歯科診療を行っている菅原恭氏(菅原歯科医院 副院長)は、「ケアマネジャーさんを通じて、訪問歯科の依頼があります。その際ケアマネジャーより送られてくる患者さんの状態、生活状況に関する情報が役に立っています」と言う。

訪問歯科を行っている歯科医師の菅原氏。

同じくキーパーソンであるケアマネジャーの小松治氏((株)宮城登米広域介護サービス第三事業部広域介護サービス気仙沼 次長兼所長)は、村岡氏と同様、「何か面白いことをやろうと気持ちで参加しました。システムもシンプルで使いやすく、続けられます。理想は高くしないで、困った時に直ぐに連絡できる関係を支えるシステム作りが大切ではないでしょうか」と述べる。地域の医療・介護・福祉の事業所や訪問先の利用者さんと直に接するケアマネジャーは、地域の医療・介護・福祉の情報共有の要となる職種と言われている。従来から、村岡クリニックとは、ファクシミリを通じた紙ベースの情報や電話によって、利用者さんの情報のやり取りがあったという。「普段の情報共有のツールはファクシミリ。紙ベース+ICTの良さを活かしていきたいと考えています」と話す。

介護サービスをマネージする小松氏は、情報共有の要。

参加事業所の中で、一番bmic-ZRを使った連絡件数の多いのが、特別養護老人ホーム「恵潮苑」のスタッフだ。同施設では5人の看護師がbmic-ZRのIDカードを所持。主任看護師の小野寺裕子氏は、「村岡先生の紹介で入所された利用者さんの容態の報告など、bmic-ZRで連絡しています。診療で忙しい医師や歯科医師に直接電話するのは、どうしても気が引けます。その点、ICTによる連絡では時間が空いた時に見てくれるので、気が楽ですね」と話す。

看護師の小野寺氏。施設入居者の情報共有にbmic-ZRを使用中。

南三陸訪問看護ステーション所長の千葉美由紀氏も、利用者さんの容態について、訪問先からスマートフォンを通じて写真付きで状況報告を村岡氏に送るなど、訪問看護業務にbmic-ZRを活用している。「緊急時には村岡先生に電話をして対応を仰ぎますが、通常はbmic-ZRで利用者さんの情報を送っています」と、適切にICTシステムと電話を使い分けている。また、情報セキュリティ面も考慮して、情報は所長に一元化しているそうだ。このほか、bmic-ZRによる気仙沼の在宅ケア連携プロジェクトには、訪問リハビリテーションに従事する気仙沼訪問リハビリステーション(管理者:米田幸二氏)のスタッフも参加し、在宅診療を受ける利用者だけではなく、病院退院後に自宅でリハ継続中の利用者の情報共有などにも活用している。

千葉氏は、村岡医師との連絡にスマホ・タブレットを駆使してbmic-ZRを活用する。

訪問リハビリテーションの所内ミーティングを行う米田氏(写真中央)とスタッフの皆さん。

多職種が参加して自由な意見を交わす月1のKNOAH会合

KNOAHの活動で重要なのが、毎月開催される多職種参加の意見交換会と、会合後近くの居酒屋で開かれる「2時間目」と称される懇親会だ。普段は、日常の診療、介護などの現場でbmic-ZRや電子メールなどのITツールや、ファクシミリ、電話などを通じて情報を共有しているが、月1回の会合では、直に顔を合わせて意見を交わす。ネットや電話では言い尽くせないことについて、率直に意見交換ができ、KNOAHの"推進エンジン"になっている。
1時間目の意見交換会は、さまざまな職種からの業務内容やトピックスの紹介、企業の担当者による材料・用具・機器などの紹介、更には情報共有に用いる様式の検討やKNOAHの今後に向けたディスカッションなど、毎回異なった多彩な内容で行われる。医療・介護現場で欠かせない「おむつ」の説明とデモが行われた回には、村岡氏や小松氏が自ら実演のモデルとなって時に参加者の爆笑を誘い、とりわけ和やかな会合となっていた。

2016年最後の会合となった12月9日の第51回KNOAHでは、企業担当者による「ロボットを使った介護施設向けサービスの紹介・デモ」の後、ケアマネジャーの小松氏の司会進行で「今後のKNOAHで取り上げたい議題」が議論され、小松氏が作成したアンケート用紙(現状・課題/どう連携すれば良いのか/具体的な取り組み案)を配布、各職種の方々に記入してもらい、KNOAHの運営にフィードバックすることになった。

またKNOAHは、地域の保健医療情報の交換の場でもある。この日も気仙沼保健所から、感染性胃腸炎やインフルエンザの流行の報告があり、ノロウイルス感染への対応として、保健所が作成した手書きイラスト入りの資料安全な吐物処理の方法が配布された。さらに保健所からは、第4回「プラチナ大賞」奨励賞(受賞タイトル:「医療と介護・福祉の連携を通じた協同のまちづくり~気仙沼在宅ワーキンググループKNOAHの取り組み)の受賞報告と賞状が紹介され、参加者全員で受賞を祝った。

参加者にとって月1の大きな楽しみでもある「2時間目」。この日は忘年会を兼ねた懇親会で、酒も入ったこともあり、「1時間目」の意見交換会よりもさらに突っ込んだ意見のやり取りが行われたようだ。

「現場の課題を共有し、一緒に作り上げる」KNOAHとbmic-ZR

現在はトライアルプロジェクトとして、時には実験的な意図も織り交ぜて使われる気仙沼のbmic-ZR。ユーザー質問等に答える通常のヘルプデスクはあえて通さず、在宅ケアの現場メンバーとbmic-ZRのR&D担当者が、直接情報や意見の交換を重ねている。ソニーネットワークコミュニケーションズのbmic-ZR担当者は、気仙沼現地にも毎月足を運び、現場担当者と一緒になって現場の課題とその根源を探り、KNOAHという人的システムとbmic-ZRというICTツールがどうあるべきかを考え続けている。単なる"御用聞き"のように"顧客"の声を聴くのではなく、「できるだけシンプルな使いやすいシステムが欲しい」というKNOAHのメンバーの要望が本当に意味するものを掘り下げて初めて、bmic-ZRで本当に必要な機能、不要な機能の選別も可能になる。

南三陸訪問看護ステーションにて、千葉氏と話しこむbmic-ZR担当者。

逆に、課題解決をシステム作りの目で考える過程では、ICT技術による対処療法ではなく、KNOAHの中でアナログ的に取り組むべき新たなテーマが見えてくることもある。気仙沼という地域包括ケアシステム最前線の現場と、ソニーネットワークコミュニケーションズとが肩肘張らずに一緒に取り組み、現場が働きやすいより良いKNOAHのネットワーク作りと、現場で使いやすいより良いbmic-ZRのシステム作りが、これまた一緒になって進んでいる。

Point
  • 必要な機能、不要な機能を厳選したシンプルな多職種連携システム
  • 「紙、ICT、電話」の各情報ツールの良さを使い分ける
  • 毎月直に会って率直な意見と情報を交換、課題の根本から一緒に考える
  • ICTのシステムは、人的なネットワークと、一緒になって進化する

bmic-ZRをぜひ、ご検討ください

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bmic-ZRは、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社の商標です。